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2015年09月30日

エイジングケア

成功確率の高いダイエットの始め方

150928炭水化物抜きダイエットs

食欲の秋。

美味しい食事を前に、「ダイエットは明日から」とつぶやいていませんか?

ダイエットを始めなきゃ、始めなきゃと思って始められていない貴方にいい情報があります。それは、「成功率の高い、ダイエットの始め方」です。以前に、ダイエットセミナーに参加し、成功事例の話がありましたので紹介します。

話を始める前に、ダイエットが本当に必要かどうか、気をつけて頂きたい方がいます。それは、BMI*が低い低体重の方です。目安として、BMI 18.5以下の方は、しっかりバランスの良い食事をして体力をつけること、筋力をつけることが一番の課題だと認識してください。

 

それでは、本当にダイエットを必要とする方のみお読みください。

次の3つの中でダイエットの成功確率が最も高いものはどれでしょうか?

①自分の固い決意で始める。

②お医者さん等の指導を受ける。

③友人と競う。又は、ダイエットイベントなどに参加して人と競う。

さぁ、何番でしょうか?答えは最後に。

 

ダイエットを始めるのはいいけれど、その方法もしっかり選んで頂きたいということで、今回は正しいダイエット法について、お話してみようと思います。

最近、「胃腸クリニック」で患者さんが急増しており、その原因が間違ったダイエット法にあると言われています。近年では、さまざまなダイエット方法がマスコミを賑わせ話題になりますが、中には間違った方法が多々あります。

最近話題になったダイエット法を挙げると、「バナナダイエット」、「1日1食ダイエット」、「低炭水化物ダイエット」、「糖質オフダイエット」、「朝食抜きダイエット」などなど。これからも、新しいダイエット法が出てきては、そのうちの多くが消えて行くことでしょう。それは、栄養学の知識がない方による、間違った考え方から生まれたダイエット法だからです。

今、テレビでは健康番組が花盛りで多くの医師が登場します。○○の権威と紹介される医師の中には、理論や裏付けのシッカリした医師もいます。しかし残念ながら、饒舌な受け答えはできるものの、裏付けのない理論を平然と述べ、視聴者を不健康に追いやる先生もいます。

そもそも、日本の医学部や薬学部には、「栄養学」のカリキュラムがない、あるいは圧倒的に少ないのが現実です。その道の本当の専門家は管理栄養士です。食事面におけるダイエットに関しては、管理栄養士に栄養学や食事の話を聞くべきだと私は思います。

 

話が少し逸れましたが、冒頭の「胃腸クリニック」に患者さんが急増している原因は、最近の「低炭水化物ダイエット」、「糖質オフダイエット」、「朝食抜きダイエット」にあると言われます。これらのダイエット法は、何故いけないのでしょうか。それは、便を作り出す食物繊維の摂取不足を引き起こすからです。

炭水化物は、主に糖質と食物繊維で構成されます。つまり、炭水化物を制限すると、食物繊維も制限されることになるのです。食物繊維不足が「排便障害」を起こし、「腸ストレス」に繋がり、胃腸クリニックの患者さんを増やしています。

炭水化物

今、日本人の大腸がんが急速に増えています。これも、食生活の欧米化により、動物性脂肪やたんぱく質が過剰摂取され、食物繊維が不足している事が原因の一つとして考えられています。食物繊維には、多くの腸疾患や代謝性疾患に対する予防効果が認められています。また、腸内の発がん物質の生成も抑える働きがあるのです。

厚生労働省の「食事摂取基準」では、18~49歳の女性の理想的な一日の食物繊維摂取量は20~21g(同年代の男性は26~27g)とされています。ところが、グラフのように日本人の平均食物繊維摂取量は、戦後大きく低下しています。現在の日本人の平均食物繊維摂取量は13~14g前後といわれており、一食抜くと、摂取量は10g前後まで低下することがわかっています。

食物繊維の摂取量

このようなことを理解すると、「一日一食ダイエット」、「食事抜きダイエット」や「低炭水化物ダイエット」などに潜む危険性をご理解頂けると思います。食物繊維はしっかり摂りましょう。

健康的ダイエットの基本は、摂取するカロリーを抑えて、代謝(消費)するカロリーを増やすことです。安直な方法は、健康的なダイエットには繋がりません。 基本的なことですが、以下の3点を重視しましょう。

1.炭水化物(糖質、食物繊維)、たんぱく質、脂肪、ビタミン、ミネラル、酵素など出来るだけ数多くの食事からバランス良く栄養素を摂り、過剰なカロリー摂取をさける。栄養素の偏る単品ダイエットや主要栄養素を抜くダイエットはダメ!栄養素が偏るとダイエットに成功しても不健康になる。病気に繋がります。

2.食事をするタイミングが大事!出来るだけ日中に食事を摂る。夜遅くの食事は太る。深夜の食事はとんでもない。

3. 運動などにより、摂取カロリー以上の代謝(エネルギー消費)をする。筋肉量を増やすと代謝の良い体になる。

ダイエットに挑戦する方は、栄養学の正しい知識を持ってスタートして下さい。間違った情報に惑わされることなく。

冒頭の質問の答え:成功確率の高い順に、③②①です。

BMI* とは、Body Mass Index の略で、1994年にWHOが定めた肥満判定の国際基準です。BMI=体重(kg)/身長(m)の2乗 が算出方法です。日本でのBMI の理想値は男性が22.0、女性は21.0です。これらの数値に近いほど病気に罹る確率が低いと言われています。また、18.5未満を低体重、18.5~25.0未満を標準、25.0~30.0未満を肥満(1度)、30.0~35.0未満を肥満(2度)、35.0~40.0未満を肥満(3度)、40.0以上を肥満(4度)としています。

参考文献:『「炭水化物」を抜くと腸はダメになる』 青春新書  松生恒夫 著

 

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※番外編コラム筆者紹介
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サンプライズ株式会社
代表取締役社長:元井益郎
薬剤師、NR(栄養情報担当者)、日本抗加齢医学会認定指導士。
1946年生まれ。東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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