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2017年06月08日

エイジングケア

「痩せ」のデメリット

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今回は、痩せすぎている女性に対するメッセージをお伝えしたいと思います。

 

増え続ける「痩せすぎ」女性。「痩せ」は良いことなのか?

テレビでは肥満・ダイエットなどの特集がよく組まれます。確かに肥満は、高血圧、心筋梗塞、動脈硬化などの病気になりやすい体質です。

しかし一方、痩せすぎに対する特集はあまり目にしません。このような風潮から「太っている人は病気になりやすく、痩せていればスタイルも良く健康である」と勘違いしている人が多いのではないでしょうか?

厚生労働省の肥満度(※BMI)調査では、男性は過去の上昇傾向から最近は横ばい傾向です。しかし、女性は減少傾向です。日本では、男性22、女性21がBMIの基準値とされていますが、18.5未満の「やせ型」は、成人女性の12.3%と過去最多(平成25年調査)です。

この痩せ傾向には問題があり、体力・筋力不足、栄養障害の可能性が危惧されます。

 

肩こり、貧血、脳への悪影響まで。痩せすぎのデメリット

痩せすぎは、太りすぎとは別の意味で非常に不健康です。痩せすぎや栄養障害が原因となり、肩こり、貧血、胃痛、冷え性、筋肉痛、乾燥肌、うつ、猫背などを引き起こす他、重症になると脳への悪影響もあります。

具体例を少し紹介しましょう。まずは肩こりについて。痩せているため、重い頭を支えるうなじや肩の筋肉が弱く重圧過多となり、肩こりの原因の一つとなります。また同様に、体を支えるための筋力不足が猫背の原因ともなります。

また、痩せすぎの人は好き嫌いも多い傾向が見られ、「生ものが嫌い、レバーも嫌い・・」と偏食した結果、鉄分などの栄養不足から、立ちくらみや貧血などの症状を起こしやすくなります。

そして、更に深刻なのは若い女性の痩せすぎで、妊娠や出産のリスクが高まります。栄養状態が劣っていると、胎児も栄養不足で低体重児になる確率が高まり、子孫に悪影響を及ぼします。

日本の若い女性の「とにかく痩せている方が良い」という間違った価値観は、他国では見られない特有の傾向のようです。

このように、痩せすぎからくるマイナスの症状はたくさんあります。貴女やご家族にも、思い当たる点がありませんでしょうか。

健康的なBMIへ戻すことで多くの症状は改善されます。更に運動が伴えば、健康面においても今後の人生の質は大きく向上するでしょう。

女性の人生は長いのです。痩せすぎの貴女は、氾濫している様々なダイエット法、痩せ志向などに惑わされず、健康的なBMIを目指すようにしましょう。

※肥満度=BMI (Body Mass Index=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m))

 


 

コラム筆者:元井益郎

薬学博士/薬剤師/NR(栄養情報担当者)/日本抗加齢医学会認定指導士。

東京薬科大学薬学部卒業。ジェーピーエス製薬株式会社入社・退社後、サンプライズ株式会社設立。東京大学や慶應義塾大学など、国内の著名な大学機関と抗加齢に関する共同研究を行っている。趣味は山登りとマラソン。70歳になるが、自称年齢は52歳。年間に4回ほどフルマラソンへ出場し、4時間以内に完走することもある。登山では世界7大陸の最高峰を制覇することを目標とし、既に4つ登頂成功。2017年はデナリ(マッキンリー)に挑戦する予定。トキメクような目標をモチベーションに、アンチエイジングを体現している。好きな言葉は、「過去は変えられないが、未来は変えられる」。

元井 益郎

薬学博士/社長

1分も走れないペンギン歩きから、世界7大陸最高峰を目指す70代に。

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